ゆずファンサイト




Live Films リボン
'06年10月4日発売
ライブレポート
2006年8月28日 吉野金次の復帰を願う緊急コンサート  in 北沢タウンホール
ありがたくもチケットを譲っていただくことが出来まして、行ってきました!

吉野金次氏は、日本のフリーランス・レコーディング・エンジニアの草分けです。
エンジニア、プロデューサー、アレンジャーとして多くのミュージシャンの音源制作に関わり、名盤の誕生に立ち会ってきました吉野氏が今春、脳出血に倒れました。
一命は取り止めたものの快復にはまだ時間がかかります。
彼の存在は、日本の音楽界にとって宝物のように大切なもの、と考える矢野顕子氏が、細野晴臣氏をさそって収益を治療費に充ててもらうためのコンサートを緊急開催します。
吉野氏に現場復帰していただき、再び『Super Folk Song』や『HOSONO HOUSE』のような名盤に携わってもらいたい、という想いを、「音楽」でお金に換えて届けたい。
そんな気持のコンサートを、下北の小さな会場で開催します。
日程が近いのですがふるってご参加下さい。

レコーディング・エンジニア:吉野金次の復帰を願う緊急コンサート

矢野顕子
細野晴臣 with 浜口茂外也・徳武弘文・コシミハル・伊賀航・鈴木惣一朗・高田漣/友部正人/大貫妙子/佐野元春/ゆず ほか


会場は下北沢にある「北沢タウンホール」、駅から歩いて5分の場所です。
整理番号順に中へ。先に入っている方は後ろの方の席を取ったりしてたので、私は50番台だったんだけど真ん中よりちょっと岩沢側の2列目に座ることが出来ました。横が20席で、右から6席目。
294席ってホールのサイトには書いてあったけど…後から数えてみたら、240席くらいなような。ステージの高さは1mもなかったような気がします。
会場に入って、まず目に入ったのがこちらの直筆メッセージ
後のMCで言ってたんだけど、病床にいる吉野さんからFAXで送られてきたそうです。
このメッセージが現在の吉野さんの現状を克明に表しています。まさに筆圧もままならない状態、ですね。

開演時間を少々過ぎた頃、まずは矢野顕子さん登場。 3週間ぶりの生あっこちゃん!
「吉野に代わってお礼申し上げます」と挨拶をし、グランドピアノの前に座って演奏スタート!

矢野顕子
・夏なんです(はっぴいえんど)
・中央線(THE BOOM)
・右手(ELLEGARDEN)
・PRAYER

中央線の後のMCでは
「今日のこのコンサートは、アーティストもスタッフも、10円も・10セントも・10フランも貰ってないんですよ。このコンサートは、1ヶ月前には存在してなかったんですよ。私が1ヶ月前に吉野さんのところにお見舞いに行って、『やりたい!』てなって、スタッフが『よっしゃやろう!』て賛同してくれたのが偉い。これから続々と出てくるんですけど、アーティスト達が『よっしゃやろう!』と賛同してくれたのが偉い。そして今日来てくれた皆が『よっしゃ聞いてやろう!』と来てくれたのが偉い。」
というようなことを話してました。そして細野さん達がステージへ。
東京シャイネスとHarry Hosono Quintetが合体したスペシャルバンドです。

細野晴臣
ギター:徳武弘文、ギター:高田漣、マンドリン:鈴木惣一郎、
 ベース(ウッドベース?):伊賀航、アコーディオン:越美晴、パーカッション:浜口茂外也、コーラス:高野寛
・モーガン・ヴギ
・PONPON蒸気
・暗闇坂むささび変化
・ろっかばいまいべいびい

MCでは
「今日の公開リハが楽しかった。やみつきになりそう。お金もとれるし」(会場:笑)
「(PONPON蒸気 )ちょっと早すぎたね」「ブギっていいでしょ?ロックじゃなくてブギ!ブギウギは前のめりに走るのが面白い。転びながら前に走る、それがブギウギ」(笑)
「次の曲はリズムが大事だから、ちょっと天から降りてくるの待ってて」とリズムを一人でじっくり確認してから「ろっかばいまいべいびい」をやってました。
あと、朗報です!!
「忌野清志郎、順調に回復しているよ。療法が効いている」とのこと!嬉しい!
「もし僕が倒れたら、リハビリして、こういうイベントをやってもらって、会場に来ちゃうと思う」(会場:笑)
4曲終わり、去り際に細野さんが「次はゆずの皆さんが来てくれるんでお楽しみに〜」と紹介していきました。

“皆さん”!?てことはバンド?!と思ったけど、やっぱり2人でした(笑)

◆ゆず
まずは場面転換で北川さんのお花ギター・ピアニカ(あずき色)、岩沢さんの白ギター・ハープ、ピアニカを置くためのテーブルが用意されました。もうここで何の曲やるかわかっちゃった(笑)
そしてゆず登場!
北川:Tシャツ(けばけば)、白のカットシャツ(にほんのうたと同じ?)、細身の黒ジーパン
岩沢:薄茶の細かいボーダー(シャツ?カットソー?ランニング?)、白のカットシャツで黒いバックプリントあり(どっかで見た覚えが)、ジーパン
北「初めまして〜!ほとんどの方が初めてだと思うので、初めまして、ゆずです!」
岩「ゆずです!よろしくお願いします!」
北「ちょっと準備があるんで…」
とギターなど楽器の準備。シーンとなった会場に
北「かつてない空気で…(苦笑)」(会場:笑)
二人とも緊張してるな〜(笑)特に北川さん、顔強張ってるよ(笑)

北「先輩方に混じって演らせていただきます。僕らが吉野さんと一緒にやったのは4年前で、『ユズモア』ってアルバムなんですけど、吉野さんを知ったのは『HOSONO HOUSE』を聞いて、胸がいっぱいになりまして。優しい気持ちになったんですよ。で、お願いしたわけなんですけど、大御所でしかも『吉野金次』でしょ?どんな、どんな『金次』が来るのかと思ってたんですけど(笑)(会場&岩沢:笑)、実際会ってみたら優しい人でね〜。で、良い音でやるとこうも違うもんかと!今回僕らにも声を掛けていただきました、精一杯やらせていただきます。今日このビデオは吉野さんも見るんですよね?」
※ビデオが4〜5台入ってました。でもほとんど家庭用。
北「吉野さん!借りたまんまの『サバイバル』って漫画、」
岩「あははは!!」←マイクから外れて大笑い。
岩沢さんの笑い声と会場の笑い声で、このあと北川さんが何言ってたか聞き逃した;

北「それでは、吉野さんと一緒に作った『ユーモア』という曲をやります」

間違えてるよ!!
「ユーモラス」でしょ!(笑)緊張しすぎっすよ、北川さん…(笑)

今回は1曲なので、その1曲を細か〜くレポします。…自分でもちょっと気持ち悪いくらい細かいです(笑)普段は次の曲で記憶がすっとぶんだけど、今回はそれがないので、ね。

曲の入りは北川さんのピアニカソロでゆっくり。次に岩沢さんのギターもポロロンと入っていく。CDでバンドが入っていく部分から普通のテンポになりました。そのイントロ中、北川さんは左足でリズムを取り、岩沢さんは横に体を大きく揺らしつつリズムを取ってノリノリ。
イントロの最後、北川さんピアニカをミスる(笑)思わず岩沢さん北川さんを見て「あちゃっ」て感じでかわいく苦笑い。
同じくイントロの最後、あとサビ前などに岩沢さんがギターのアソビの部分(「ちょっとした〜♪」部分)をやってて嬉しかった。これはバンドが入るとやらないからね〜。
歌詞が始まっても、北川さんはしばらくはピアニカを持ったままでした。なので岩沢さんのギター1本で二人が歌ってました。
2番に入る前、岩沢さんが上向いて大口開けて笑ってた。
そのあと、北川さんが岩沢さんを見て満面の笑み。
ってことは、2番前のギターのアソビ、失敗だったんだ…ちょっと、アレッ?とは思ったけど(笑)
もひとつミス。「チ〜ャンス チ〜ャンス チャンスはいつも〜♪」のところで岩沢さんが「アイデア」って言いかけた(笑)。ギリギリセーフ!
途中まで忘れてましたよ、この曲には爆発的な破壊力があることを。
そう、それは岩沢さんの「笑お〜ぉ〜ぉ♪」。
ふいにきたもんだから、死ぬかと思った。いやマジで。他の部分でも岩沢さんの声が・ハモリがよくってねー!北川さんの声も絶好調でした。この曲を、こんな喉の調子いいときに聞いたの初めてじゃ?て感じ(笑)
最後のアレンジは
北「明日も また 生きていたい♪ 生きていたい♪ 生きていたい♪ こーこーろーにー このー詩がー 届きーますーよーおぉに ユーモア ユーモア ユーモラァ〜♪」
そして岩沢さんのハープが入って北川さんのみで「ユーモア・ユーモア・ユーモラァ〜♪」が何回か歌われて終了。

北「めっちゃ緊張したぁ〜!」(笑)

岩「細野さんを救えコンサートはまだまだ続きます。次は友部さんです」
(さっきまでの「笑お〜」の高音とMCの低音のギャップが!)

で拍手の中、手を振りながら退場。この曲をやってくれてよかったです。
「笑い飛ばせてしまう強さを僕ら持っていて」
「僕らそんなヤワじゃない 笑おう」
歌詞のひとつひとつが、本当に沁み入りました。
そしてこのメッセージが、吉野さんの心に届くといいなと思います。

友部正人
「ギターのチューニングは楽屋でしてきたのに、カポをするのを忘れてた」(会場:笑)でカポをつけてチューニング
・一本道
・Speak Japanese,American(with 浜口茂外也:パーカッション)

「昔のアルバムで、細野さんにベースを弾いてもらった曲があるんだけど、それをカットしちゃったんですよね。今から思えば勿体なかった」(会場・笑)
「次は、矢野顕子さんです」 と紹介。

矢野「私は伴奏なので、居ないものだと思ってください。」
「元々別の約束があって、今日は来れないって言ってたんだけど、その約束を反古にしてまで来てくれ、1曲歌ってくれます、井上陽水さん!」
うそー!?うそー!?大歓声の中、悠然と現れました。本物です!(当たり前)

今月上旬、陽水さんは矢野さんのリサイタルにゲスト参加したそうで、
矢野さん「いろいろやりましたね。」
陽水さん「亡くなった方の歌を歌ったり。…あんまり適切な話じゃないね」(会場:笑)
「じゃ、生きている人の歌をやろっか」(笑)

井上陽水 with 矢野顕子
・海へ来なさい

二人のハモり、凄かった…。陽水さんが帰り、矢野さんがピアノを弾きつつMC。「かけがえのない友人です」で大貫さん登場!

大貫さん「かけがえのない矢野さんです!」
矢野さん「たあ坊が倒れたら、私どうしよう?何してほしい?」
大貫さん「うーん。まあ、ピアノでも弾いて歌ってくれれば…」
矢野さん「横で、『起きろ、大貫〜!』って歌おうか(笑)」(会場:笑)
大貫さん「次は、吉野さんが復帰した時にまたコンサートやりたいですね」

大貫妙子 with 矢野顕子
・横顔
・ウナ・セラ・ディ・東京

「横顔」の2番で大貫さんが入りミス(笑)二人で笑顔で顔を見合わせていました。いーなあ、こういうの。

矢野さん「次は、“おめかし”をした佐野元春さんが登場です」で二人とも退場。

佐野さん、テンガロンハットにスーツ。かっこえ〜!本当に“おめかし”してる(笑)

「2枚出したんだけど鳴かず飛ばずでね。そんなときに出会ったのが吉野さんでした。」
「普段はバンドが後ろに居るんだけど…」と、ほとんどしない弾き語りをやりました。

佐野元春
・SOMEDAY

曲が終わって、スタッフをチラっと確認。スタッフが親指を立ててグッド!と。ん?このスタッフ、見覚えあるぞ…誰だっけ?
後日、総動員で確認。ゆずの舞台監督をやってらっしゃる笹川さんですわ。
あぁ〜、突然ゆずが出演したのって、矢野さん繋がりだけじゃなくてこういう繋がりもあったのかもしれないですね。
佐野さん「次は…誰だっけ?」とスタッフに確認(笑)
スタッフに教えてもらい、紹介してました。
このね、皆が次のアーティストを紹介していくのって良いですね。忘れちゃったりもするけど(笑)、ただゲストに呼ばれてただ歌うっていうんじゃなく『矢野さんに賛同して集まった、吉野さんを応援するアーティスト達』という纏まり感がありました。

そして矢野さんと細野さん登場。細野さんがベースを持った瞬間、おお〜!と歓声が。
細野さん「ベース持っただけだよ?(笑)」
矢野さん「得ですよね(笑)」

細野さん「アッコちゃんはこの夏、ずっとコンサートしてますね」
矢野さん「夏は出稼ぎのシーズンでございます」(会場・笑)
細野さん「アッコちゃんは全然、病気しないね」
矢野さん「この前、風邪をひいてみました(笑)。大病はしたことない。細野さんは大病したことある?」
細野さん「僕はね、…盲腸とか」(会場:笑)
で、これは誰も信じてくれないんだけど…と盲腸の手術の時の話。
子供の頃、盲腸になった細野さんが、軍医だったお医者さんから「麻酔」をされずに手術をしたという話をする。
ええ〜!?と矢野さんと会場。
細野さん「部分麻酔だけどね」(会場:笑)
部分麻酔は皮膚を切られた時は痛くないけど、内臓まで麻酔が効いてないから、内臓を切られる時は痛いと。
細野さん「だから、切腹はしないほうがいいよ。痛いから」(会場:笑)
矢野さん「盲腸になったら、軍医かどうか確かめたほうがいいですね。軍医か獣医か」(会場:笑)

矢野さん「病気とは全然関係のない話をやります」(笑)

細野晴臣 & 矢野顕子
・相合傘

「チケット取るの大変だったでしょ?1ヶ月前に見舞いに行ったときに、これはすぐやらないと!と思ったんです。皆もそうでしょ?そこで今倒れている人がいるのに、後で〜ってできないでしょ?『すぐやりたい!』となって、スタッフがこの会場を探してくれたんです。照明のスタッフや、音響のスタッフや、この機材を運んでくれたスタッフや、皆に感謝しています。」

矢野さん「最後の曲は、知ってる方は一緒に歌って下さい。今日は歌えますよ、わたしが歌うバージョンじゃないから(笑)」(会場・笑)

・終わりの季節

演奏後、二人が手をつないで客席に一礼、二礼して帰っていきました。
会場からは割れんばかりの拍手、すぐさまアンコール催促の拍手!でも横に居るスタッフは、何度も腕時計を見ています。これは無理か?すると矢野さんと細野さんが出てきて
矢野さん「ほんと〜に、ほんと〜に無粋なんですけど、この会場は世田谷のなんですけど、22時までに完全撤収しなきゃいけないんです。次は復活コンサートで!」と。

これでコンサート終了。アットホームで、非常に素晴らしいコンサートでした。アーティストやスタッフの、吉野さんへの気持ちがとても伝わってきました。1日も早い復活コンサート開催、待ってます。

チケットを譲ってくれた兄さんに本当に感謝です。とても良い方でした〜。お茶くらいしか奢れなかったけど;

会場外に出たのは21:15頃だったかな?友達にライブの報告の電話をしてたら、ふいに辺りが騒然と。きゃー!わー!となって人が走っていく。事故か!?と思って駆けつける(←野次馬)
……どうやら、ゆずが車で出てきたところだったようです(苦笑)
だって、その前に救急車が走ってたんだもの…。
P1000011.jpg P1000016.jpg

で、これは矢野顕子さんファンの方に見せてもらったサイン。
(念のため。ライブ会場で書いてもらった、ではないですよ)友達だか従兄弟だかがゆずファンだとかで。いーのう。
私は色紙とか持ち歩いてないので、もし会ったとしても無理だなあ。つーか話しかけられない。多分逃げる(笑)

ライブレポTOPへ